陶器の知識 装飾

陶器には基本の装飾では、色彩や形を変化させることで、多様な造形美を作ることが可能です。焼成後には質量が縮まったり、釉薬が不規則に溶け出すことがあるため、このような変化も計算した上で作る技術が発達しました。

刷毛目は筆を使って表現するデザインで、主に白色の釉薬が使われます。この方法で陶器には自然な風合いが生まれ、料理の器として使うと素材の色彩と調和するようになります。染付は中国で生まれた技法の一つで、素地に対しては呉須を使って絵付けをしてから、さらに透明釉を使って焼き上げたものです。青色の色彩が特徴で、日本では有田焼で盛んに使われるようになりました。

陶器の装飾の中で、鮮やかな緑色が特徴になるものでは織部が代表的です。釉薬には鉱物の銅を用いながら、酸化焼成の窯で焼き上げると緑色になる仕組みです。専門的には織部釉とも呼ばれており、日本で独自に発展した技術としても知られています。

火襷は釉薬を使わない焼締陶器で用いられる技法です。皿を重ねて焼成する場合には、接着を防ぐために藁を重ねると、アルカリ成分が土の鉄分と化学反応して美しい赤色になります。柔らかい素地に対して櫛形の道具で装飾を付けることは、櫛目と呼ばれていますが、すり鉢の内側の溝も同じような技法で作られています。

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