陶器の材質や演出で楽しむ美味しい家庭料理

いつもの家庭料理を、美味しく楽しくいただくために、料理を引き立ててくれるのが『陶器』という名脇役の存在。いつもの料理が器によって色鮮やかに見えたり、いつもとは全く違った料理に見えたり、やけに美味しく感じる。という経験、誰しもがあるのではないでしょうか!?
よそった陶器に伝わるひんやり感が、冷たい料理をより冷たく感じさせたり、材質の触り心地に料理と器のあたたかみをより強く感じたり。料理を口に運ぶ際、食材の味と器の触感が混じり合い、特別な料理へと変化をする。そんな粋な演出を、器が与えてくれるといっても過言ではありません。

焼き物

食卓に配置された箸や箸置き、材質や色彩の異なるそれぞれの器、それにランチョンマットなどの色や素材の違った物を用いれば、普段の家庭の食卓がより彩を増し、非日常的な空間となり、当たり前の食事の時間が大切な人との特別な瞬間となって、毎回毎回違う演出のものとなってゆきます!

食事をただ舌だけで味わうだけではなく、食卓全体のバランスや色合いを見て楽しみ、料理の温度を器を通して肌で味わい、舌や唇に触れる器の触感を味わい、箸や器同士が奏でる音を楽しみながら、五感すべてを使って料理を味わう演出をしてみる。そんな僅かな工夫と心遣いで、普段の家庭料理がより美味しい特別なものへと姿を変えてゆきます。

陶器と食材の絶妙なマッチングの京料理

椀物

かつて平安の都と言われた京都は日本料理のメッカと呼んでも過言ではありません。昆布やかつおだし、みりんなどの日本的な調味料を主体に、薄味で食材を活かしていくのが特徴です。

食の評価を決めるミシュランの星の数も京料理専門店が多く獲得していて、日本人ばかりでなく外国人にも親しまれているのは低カロリーで非常にバランスが取れているためにヘルシーであるという所以です。野菜や魚中心で、特に京都独特の賀茂ナスや万願寺唐辛子などの野菜から、湯葉、魚では鱧や甘鯛などは京料理に欠かせず尚且つ個性を引き出します。

最近ではもちろん肉や西洋野菜を初め、色んな食材を取り入れる傾向にあります。見た目も重視するので、盛り付けには陶器の選定が大切です。白っぽい器には赤や緑、紺色と言ったような絵柄の付いた陶器で引き立たせ、逆に赤や黄のパブリカなど鮮やかな色には素焼きの陶器を使ったりします。夏場には涼しげなガラスの陶器も食欲をそそり、料理によっては洋風の陶器も使いインパクトを付けます。

吸い物から始まり、主菜、甘味に至るまで一連の流れを考慮していきます。一つ一つの料理に味と見た目の双方の感動を与えるのが目的です。
そこには料理人の真心と創意工夫も加味され、楽しいひと時を味わえます。

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